電話工事とはどんな工事?これだけは知っておきたい基礎知識まとめ

電話工事と聞くと、一般のご家庭ではモジュラージャックに電話機を接続すれば繋がるイメージですが、オフィスはもちろん、個人でも引越しをした時や一人暮らしを始めた時など、電話工事をしなければ固定電話は利用できません。

「工事」と付くので、何となく大掛かりなものをイメージしてしまいそうですが、ごくごく一般的に行われているものです。

そうは言われても、電話工事とはどんな工事をしているのか、と多少「?」な部分が多いかと思います。では、その「電話工事」とはそもそもどんな工事なのか?について、知っておきたい基礎知識をご紹介いたします。

1. そもそも電話工事とは3つの工事の総称

そもそも ”電話工事” は、大きく「屋外」と「屋内」に分かれます。

具体的には、「屋外」の電話工事とはNTTが行う建物までの電話線の引き込み工事のことを指し、「屋内」の電話工事とはNTTが建物まで引き込んだ電話線を、使用する電話機まで配線して利用できる状態にすることを指しています。

屋外はNTTが行い、屋内の電話工事に関しては専門の工事業者が行いますが基本的に、

①交換機工事

②電話配線工事

③電話機設置工事

以上の3つの工事の総称になります。具体的にどんな工事なのか見ていきましょう。

電話工事とはどんな工事?これだけは知っておきたい基礎知識まとめ

①「交換機工事」

内線電話と外線電話同士を交換する交換機をオフィスに設置する工事です。

詳しく説明すると、電話の「交換機」と聞くと、一般的にはNTTの電話局にある大きな交換機を想像してしまいがちですが、オフィスで使う交換機は少し異なり、オフィスにおける交換機はNTTに設置するものではなく、会社のオフィスに設置して内線電話と外線電話同士を交換する役割を担っています。

また、交換機は「PBX(構内交換機)」とも呼ばれ、現在のPBXは音声信号をデジタル処理するデジタルPBXが主流となっております。デジタルPBXを使用すると、交換機を通して外線から直接、特定の電話を呼び出せるダイヤルインが可能となります。

電話工事とはどんな工事?これだけは知っておきたい基礎知識まとめ

②「電話配線工事」

オフィスでは通常、ビジネスフォンを利用していますが、そのビジネスフォンは「主装置」と呼ばれる機器と電話機がセットで使われます。その主装置とビジネスフォンを繋ぐ電話線をオフィスの床やカーペット、壁などに這わせる工事が電話配線工事となります。

また、オフィス内のレイアウトによって配線が決まるため、「見た目」にも大きく影響します。そのため、電話配線工事の際には事前に計画を立てておく必要があります。

③「電話機設置工事」

こちらは、そのままイメージ通りビジネスフォンに一つずつ配線を接続して使えるように設定を行います。

このように、電話を使用できるようにするまでに、以上の3つの工事が必要となり、総称して「電話工事」と呼んでいるのです。

2. 電話工事は主に4種類に分けられる

オフィスでビジネスフォンを利用するためには、前の項で説明した3つの工事が必要になりますが、電話工事には工事の種類によって、

 ①新設設置工事

 ②移設・増設工事

 ③配線整備工事

 ④撤去工事

と、大きく4つに分類され、工事の種類によって費用も異なります。

それでは、こちらも簡単に工事内容を見ていきましょう。

①新設設置工事

新規設置工事はその名の通り、ビジネスフォンやFAXなどを新たにオフィスに設置するための工事のことを指します。

 そこで、オフィスでの業務効率化はどのような会社でも必須事項。ビジネスフォンの新設設置工事の際には、オフィスのレイアウトを事前にしっかり整理して運用イメージをまとめておくことが肝心です。

②移設・増設工事

 日々業務を行っていくなかでオフィスレイアウトも進化し続けなければなりません。

例えば、オフィス内に打ち合わせスペースを確保しようとしたとき、デスクのレイアウトを変更する必要が生じた場合、それと同時に主装置を基にしたビジネスフォンの配線も移動が必要となるケースが出てきます。

 その際、自分たちで出来る範囲ではない場合や、大幅なレイアウトの変更など、主装置から電話機までの配線をし直す必要があり、そういった工事が移設・増設となります。

③配線整備工事

 オフィスを開設して月日が経つと、オフィス内のレイアウト変更など随時行うことにより、ビジネスフォンも当然のように移設・増設を繰り返しています。その際、ちょっとしたレイアウト変更なら自分たちで行うことがあります。

そのような、小規模なレイアウト変更で移設、増設を繰り返していくうちに、ビジネスフォンの配線はとんでもないことになってしまうケースは多々あるものです。その自分達では収拾がつかなくなった配線の乱れを正しい配線に整備す寝工事が配線整備工事となります。

④撤去工事

 ②の様にレイアウト変更に伴う配線の乱れは、通信機器に障害を起こしてしまい、会社運営に多大な損害を与えてしまいます。そこで、電話配線の全体の見直しを検討する必要があります。

 その際、現在利用している電話配線など撤去する必要があり、その配線や電話機を撤去する工事になります。

このように、電話工事は工事内容によって4つの種類に分類されているのです。

3. 電話工事の前に必要な2つの準備

それでは最後に、実際に電話工事をする前に、依頼者側で用意しておく必要かあるものとして、

 ①電話回線の用意

 ②電話機(ビジネスフォン)

と、2つ準備しておく必要があります。

工事自体は専門の工事業者が行うので、事前の準備をしっかりしていれば問題ありません。

電話工事とはどんな工事?これだけは知っておきたい基礎知識まとめ

①電話回線の用意

電話工事を行う場合は、新設や移設にかかわらず事前に電話回線の工事が行う必要があります。

現在、電話として利用できる回線の種別は大きく分類すると以下の4つの回線があり、環境にあった回線を選ぶ必要があります。

アナログ回線

アナログ回線は、銅線(メタルケーブル、メタル線、メタルなど)を使ってNTTと会社などをつなぐ回線のことを指します。昔からある電話回線で、1回線で同時に1通話のみ利用可能です。

デジタル(ISDN)回線

デジタル回線は、ISDN回線とも呼ばれアナログ回線で使われていた銅線を利用する回線です。アナログ回線と違い、1つの電話番号で複数の回線を使用できます。

IP電話

最新の電話回線であるIP電話は、インターネット回線を利用する電話回線です。分かりやすい例だと「050」から始まる電話番号は全てIP電話です。

ひかり回線

デジタル回線の一種であり、光ファイバーケーブルを使ったブロードバンド回線のことを指します。他のデジタル回線と比べると、より音声の質も高く、NTT局から離れている場合でも通信速度が速いのが特徴です。

➁電話機(ビジネスフォン)

こちらは、当然と言えば当然なのですが、電話工事をする前には使用するビジネスフォンは揃えておきましょう。

一般家庭では1台で十分ですが、オフィス用の電話であれば、必要数用意しておく必要があります。また、ビジネスフォンを利用する際は、前述の通り「主装置」とセットでの利用となり、基本的には一式必要となるため、電話機とセットで購入します。

以上、ごく当たり前の説明でしたが、電話工事の前に事前に準備しておけば、あとは工事業者に任せるだけです。

4. まとめ

電話工事とは何か説明してまいりましたが、一般のご家庭においてはNTTに依頼すれば一通りの工事はしてもらえると思いますが、オフィスでは様々な工事内容や種類がありますので、ある程度は基礎知識として理解しておく必要があります。

基本的には、依頼する電話工事の専門業者に任せておけば問題ないと思います。

ここでは、電話工事とは何なのかということだけでもご理解していただければ幸いです。