ビジネスフォンをオフィスに導入するためには、新たに起業される会社はもちろん、オフィスの引越しやレイアウト変更に際にも、電話工事が必要となります。そこで、電話工事と一口にいってもどのような工事があるのか?
そもそも「電話工事」は、
交換機(主装置)工事
電話配線工事
電話機設定工事
という3つの工事の総称であり、上記3つの工事以外に重要な工事があり、それが回線工事です。電話を新設した際の回線工事、移設した際の回線工事、増設した際の回線工事など、状況によって工事内容が異なります。
そこでここからは、電話工事の種類と参考までに2種類の配線方式をご説明いたします。
1. 電話工事は工事内容によって4種類に分かれる
オフィスでビジネスフォンを利用するための電話工事には工事内容によって、
と、大きく4つに分類され、工事の種類によって費用も異なります。それでは、それぞれの工事内容を見ていきましょう。
①新規設置工事
新規設置工事は、ビジネスフォンやFAXなどを新たに設置する工事のことを指します。
その工事の際、オフィスでの業務効率化という課題はどのような会社でも必須事項です。そう考えた場合、オフィスの新設や移転などが業務効率化のベストなタイミングであり、その中心となるのが、ビジネスフォンの新設ではないでしょうか。
新規工事をするにあたっては、しっかりとしたレイアウトを構築し、また、本来ビジネスフォンが持っている能力を最大限に生かせるように計画することが求められます。
②移設・増設工事
日々業務を行っていくなかでオフィスのレイアウトも進化していくものです。また、オフィスのレイアウトに不満がある社員が多いことで、オフィスのレイアウトも社員の要望に答えて進化させ続ける必要があります。さらに、社員が増えれば、当然電話機も増設する必要があります。
例えば、オフィス内に打ち合わせスペースを確保しようとしたとき、デスクのレイアウトを変更する必要が生じた場合、それと同時に主装置を基にしたビジネスフォンの配線も移動が必要となるケースが出てきます。その際、自分たちで出来る範囲ではない場合や、大幅なレイアウトの変更など、主装置から電話機までの配線をし直す必要があり、そういった工事が移設・増設となります。
③配線整備工事
オフィスを開設して月日が経つにつれ、オフィス内のレイアウトは当然変化を続けることになります。そういった移設・増設の際、大きなレイアウト変更以外は、その都度業者に依頼することも難しく、自社において変更することもあります。
そのような、小さなレイアウト変更や移設・増設を繰り返していくうちに、電話を含めた配線は収拾がつかなくなったりします。その自分達では収拾がつかなくなった配線の乱れを、正しい配線に整備する工事が配線整備工事となります。
④撤去工事
③の様にレイアウト変更に伴う配線の乱れは、通信機器に障害を起こしてしまい、会社運営に多大な損害を与えてしまいます。そこで、電話配線の全体の見直しを検討する必要があります。
電話システムを構築してどのくらい経過しているか、といったことや、現在のアナログ回線から光回線やIP電話にしたいケースもあります。そうした場合、現在利用しているシステムは撤去する必要があり、その配線や電話機を撤去する工事がここでいう撤去工事になります。
このように、大きくは「新規と移転の際の工事」と、「オフィス内のレイアウト変更にともなう移設・増設工事」、また「その移設・増設に伴う配線整備および撤去工事」ということになります。
2. 電話工事の2種類の配線方式
次に、参考までに前項の工事の際、ビジネスフォンの配線には、
・スター配線
・バス配線
と、2種類の配線方式が用いられています。
スター配線方式
スター配線とは、ビジネスフォンの主装置から電話機1台に対して、1本のケーブルで配線する接続方式です。
主装置を起点として、電話機がその周りをスター(星)状に配線することからスター方式と呼ばれています。
スター配線のメリットは、配線が電話機1台ずつ必要になりますが、1台の電話機にトラブルや配線が断線したとしても影響を受けるのは、その1台のみで済みます。逆にデメリット面は、1ヶ所に複数の電話機を設置する場合、ケーブルが台数分必要になるので配線が絡まりやすくなります。
バス配線方式
バス配線とは、スター配線とは異なり主装置から1本の配線を途中分岐しながら電話機に接続する配線方式です。
1本の配線で8台までの接続が標準接続台数となっています。名前の由来は、分岐する部分がバス停のようなイメージからきているのかもしれません。
バス配線のメリットは、配管がいっぱいでスター配線で多くの電話線を引けない場合などでは、主装置から1本の配線で済むため有効になります。デメリット面としてはスター配線とは逆で、主装置から1本の線で最後の電話機まで繋がっているため、途中で断線した場合、断線した部分以降の電話機は全て使用できなくなるというデメリットがあります。
ちなみに、NAKAYO(ナカヨ)、SAXA(サクサ)、IWATU(岩通)、HITACHI(日立)などの主要メーカーはほとんどスター配線方式を採用しており、現在バス配線を採用しているメーカーはNTTのみとなり、スター配線用の電話機とバス配線用の電話機はそもそも規格が異なりますので、NTTの電話機を増設する場合は型番に注意が必要です。
3. まとめ
ここまで、電話工事の種類に関しての説明でしたが、基本的に専門の工事業者が作業を行うことになります。
とはいっても、どのような工事を行っているのかは理解しておく必要があり、大きくは、「新規と移転の際の新設工事」、「オフィス内のレイアウト変更などにともなう移設・増設工事」、「移設・増設に伴う配線整備および撤去工事」ということだけでも覚えておきたいですね。
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